自分の頭で配色を生み出す技術『7日間でマスターする 配色基礎講座』
概要
本書は、単なる色見本帳とは異なり、「なぜその配色が美しく見えるのか」という仕組みとルールをロジカルに解説しているのが最大の特徴のデザイン本です。本書の核となる<三属性(色相・明度・彩度)>と<五役色(主役・脇役など)>というツールを学ぶことで、感覚に頼っていた配色を意図的にコントロールできるようになり、配色への迷いを自信に変えてくれます。
本書のポイント
配色の考え方が分かる
多くの配色本が「この組み合わせは〇〇なイメージ」といった作例の提示に留まる中、本書は「どうすれば自分のイメージに近づけられるか」というプロセスを具体的に教えてくれます。 「主役の色を目立たせるには?」「全体を調和させるには?」といった課題に対し、<三属性>と<五役色>という明確な基準を用いて解説。例えば、「反対色で引き立てる」「黒で引き締める」「トーン(明度と彩度の組み合わせ)の差で活気を出す」など、すぐに使える具体的なテクニックが満載です。これにより、色の足し算・引き算を自分自身で考え、実行する力が身につきます。
最後に
本書の初版は2000年であり、掲載されている作例のデザインに古さを感じるかもしれません。しかし、そこで語られている配色の理論は、時代に左右されない普遍的な「原理原則」です。
トレンドの色やスタイルは変わっても、「美しい」と感じる配色の根底にあるルールは変わりません。本書は、流行り廃りのない本質的な知識を学ぶことで、あらゆるデザインに応用できる確かな土台を築く手助けをしてくれます。長く使える「一生モノの知識」が詰まった一冊です。






