ルールを無視している自分に気づかされる『伝わるデザインの基本』
概要
本書は、「デザインは感覚ではなく、論理的なルールに基づいて構築できる」という考えのもと、誰でも実践できる具体的なデザインルールを体系的に解説した一冊です。資料作成において、見た目の美しさだけでなく、「伝わりやすさ」を重視したデザイン手法を学ぶことができます。 一見すると「そんなの分かってるよ」と思う内容もありますが、読み進めるうちに「実は分かっていなかった」と気づかされる場面が多々ありました。 自分のデザインの悪い癖を見直し、修正するきっかけを与えてくれる一冊です。
本書のココがすごい
踏み込んだ細かさ
本書の最大の特徴は、細部にまで踏み込んで具体的な指針を示している点です。たとえば「数字は大きく、単位は小さく」「行間は文字の行の長さに合わせて調整する」「角丸四角の丸みは統一する」など、これまで感覚的に処理していた要素について、明確なルールが提示されています。こうした判断に迷いやすい部分を的確に言語化している点がとても良いです。
ビフォーアフターの素晴らしさ
紹介されるルールには「改善前」「改善後」の具体例が示されており、ルールを適用することでどれだけ見やすくなるかが一目瞭然です。同じ内容・同じ情報量でも、デザインルールを適用するだけで劇的に読みやすさが向上する様子を視覚的に確認できます。
リファレンス性の高さ
大量の目次の項目と索引により、情報を探しやすいだけでなく頭の中で考えていなかったことがそれらを見るだけで想起されます。そのため、手元に置いてチラチラ見ることで自然と基本的な考えが身に付く構成となっています。
最後に
本書は、資料デザインに悩むすべての人におすすめの一冊です。デザインは才能やセンスが必要だと思い込んでいた方も、この本を読めば「デザインは学習可能なスキル」であることを実感できるでしょう。これで、資料作成のたびに「なんとなく」でデザインを決めていた日々から卒業できること間違いなしです。