デザイン感覚に名前をつけてくれる本『要点で学ぶ、デザインの法則150』

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

著者: ウィリアム・リドウェル/クリティナ・ホールデン/ジル・バトラー/郷司陽子

概要

本書は、その名の通りデザインに関する150もの普遍的な法則・ルールを、1つの法則につき見開き2ページで解説してくれる本です。 分厚い理論書のように最初から順番に読む必要はありません。「レイアウトに困った」「配色が決まらない」「文字が読みにくい」といった、スライド作成中に直面する具体的な悩みが出てきたときに、パラパラと辞書を引くように解決策を見つけることができます。 デザイナーはもちろん、デザイン作成頻度の少ない非デザイナーにも役立つ一冊です。

本書のココがすごい

豊富なデザイン法則を網羅

150項目の法則を収録し、多様な分野の知見をデザインに適用できます。たとえば「80対20の法則」や「黄金比」など、スライド構成やレイアウトにも応用できる多彩な原則が揃っています。 こうした総合的な知識は、プレゼン資料の説得力やわかりやすさを高めるヒントになります。

圧倒的なコンパクトさ

本書は手のひらサイズの小さな正方形で、気軽にパラパラとめくりたくなる一冊です。それでいて、情報の密度はしっかり保たれており、要点が簡潔にまとまっているのでご心配なく。コンパクトな形状と手軽さゆえに、読むための心理的ハードルがぐっと下がっているのも、この本の大きな魅力のひとつ。

上流の考えが学べる

レイアウトや配色のルールばかりかと思いきや、もっとそこに至るまでの思考の法則の数が多いのもポイントが高いです。 例えば、「認知的不協和」という、人が自分の信じていることと矛盾する情報に触れた時に生まれる、あの何とも言えないモヤモヤした気持ちに関する理論。一見スライドデザインに関係のないように思えますが、プレゼンの冒頭で聞き手の「常識」を覆すデータを突きつけ、この心理的な揺らぶりを意図的に起こすことで、「え、どういうこと?」と聞き手を強烈に引き込み、提示する「答え」に集中させるための強力な武器になります。 このように、デザインに使われる法則は応用が効くものばかりなので、紹介されているものはどれでも参考になります。

最後に

本書は、デザインの見た目のコツだけでなく、その背景にある考え方まで学べる本です。手に取りやすいサイズながら、中身はしっかり実践的で、パラパラと読むだけでも発見があります。デザインに苦手意識がある人にも、日頃から資料をつくる人にも、自信を持っておすすめできる一冊です。

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

著者: ウィリアム・リドウェル/クリティナ・ホールデン/ジル・バトラー/郷司陽子